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【ドメーヌ・ヒデ】ワインと葡萄と生活をする鬼才・渋谷英雄さんが造り上げる極上ワイン

KOSHUJIN

山梨県南アルプス市で、ベーリーAにこだわり、自然と月の力に従って葡萄とワインを造るブティックワイナリー”ドメーヌ・ヒデ”さん。

醸造家・渋谷英雄さんは、2015年単身南アルプス市に移住。ワイナリーで生活をして、24時間葡萄とともに過ごしています。明けても暮れてもワインと葡萄と生活をする渋谷さんが造り上げる極上のワイン。

人間としてもとても魅力的な渋谷さんの経歴は非常に異色であると言えます。

大学卒業後に沖縄・慶良間諸島にある人口50人ほどの島の飛行場で航空管制員として勤務し、24歳で空港長に就任。沖縄に暮らしたことをきっかけに海洋に興味を持つと、中学の頃から親しんでいたダイビングを仕事にしようと、ダイビングの専門学校を設立。

高校生にダイビングを教えるなかで、人の心や思考に興味を持ち、臨床心理学を学ぶために東京大学大学院へ入学。学生や社会人のための臨床心理士としての働いていました。

2011年3月11日の東日本大震災を経験して、自分は60歳までに何ができるだろうかと考えるようになり、なにかを表現をするために自信が元々好きであったワインづくりを学ぼうと50歳で勝沼の「東夢ワイナリー」で修行を始めたのがワイン造りのスタートでした。

3年の修行を経て独立。自身のワインをどこで造るのか土地の選択に入ります。そこで、日本全国46カ所に水をまき、水はけの良さをテスト。

いちばん水はけのよい土地を探して巡り、現在の南アルプス市に行き着きました。

南アルプス市は昔から「月夜にも灼ける」と言い伝えられ、雨が少なく乾燥している土地です。富士に抜ける風「八ヶ岳おろし」が天空の雲を飛ばし、日照時間を長くします。

雨の多いところでは、有機農法ではぶどうが実りにくいため、有機農業を始めるのにも最適の場所でした。雨が少ないと葡萄が水を吸いたがり根を下に伸び色々な栄養分を吸い取ります。そして葡萄の粒の中に水分が入らないので美味しさだけが詰まり、美味しい葡萄ができます。

それこそが南アルプス市の果物が美味しいと言われる所以なのです。

そして2018年、ワイン造りを始めて数年で世界有数の国際コンクール、DWWA(デキャンター・ワールド・ワイン・アワード)シルバーを受賞するという偉業を成し遂げるのです。

渋谷さんが造り上げる日本ワインは、強い信念のもと作り上げられます。

① 葡萄に頑張らせない

日本の農業はとても優秀です。1本の樹から500房の葡萄を育てます。 葡萄はいつも頑張っています。 だからこそ葡萄が頑張りすぎることを恐れ栽培をしています。

② 月とワイン

植物や身体は、月の力、潮の満ち引きの影響を受けています。何億トンもの海水が動く満月と新月は、葡萄が最も力強くなるときです。 私たちは、常に月と共にあります。

葡萄とワインのベストを尽くすために、月齢に合わせた収穫と醸造が基本になっています。新月の夜、ナイトハーベストで収穫する葡萄は気温が低くとても美味しく、新月の夜にとった葡萄が凝縮味が抜群になります。

③ 手の届く小仕込み

すべてが見えるところにあります。 醸造タンクは胸より下の高さです。 ドメーヌ・ヒデさんではワインを感じながら葡萄を醸します。

ドメーヌ・ヒデさんでは8割程の醸造を足踏み破砕で行っています。機械で破砕するよりも酸化せず、ワインも非常に良い状態になります。昔は多くの醸造家さんたちが足踏み破砕をしていましたが、今はほとんどのワイナリーさんがやっていないと言われています。

昔ながらの醸造を続けることで、酸化しないだけでなく足で踏むため全て潰れきれなく、粒のまま残ったものが発酵させたいという渋谷さんの強いこだわりが現れています。

拘りの樽は世界有数の樽。ドメーヌ・ヒデさんのワインは基本的には樽熟成です。ワインは適度な環境下で眠りにつくほど、その美味しさを高めます。美味しさを探求する中、世界トップクラスの樽の魅力に引きつけられるのも自然の流れであると言います。

樽は生産国とメーカー、木の素材でいろいろなタイプがあります。サクラ、フレンチオーク、アメリカンオーク、ミズナラ、樽が変わると味や香りも全く別のものになります。新樽の1年目は木の香りが強すぎることもあり、2年目からが本格始動します。

渋谷さんが造るワインのぶどうの品種はマスカットべーリーAが主体です。日本固有の黒ぶどうの品種です。修業時代に収穫したての原液の、添加物も着色料もない、ピュアで美しいピンク色に心が奪われたときから、これでワインを造ろうと決めたと言います。

科学としてのワイン造りを基礎に置きつつも、可能な限り醸造学の学術書を捨て、ワインの心に従いそれぞれのワインが奏でる音に耳を傾けながら醸造をしています。教科書どおりの画一的なワインは造らないという拘り。

50歳からワイン造りを始め、今や「日本の造り手100人」にも選ばれる日本を代表する渋谷さん。

異色ながらも全てに筋が通った輝かしい経歴が全て繋がり、渋谷さんが経験してきた人生がワインというフィルターを通して表現されています。

ワイン界の”鬼才”ともいうべき渋谷英雄さんが造り上げる”ブティックワイン”を是非ご堪能ください。

ドメーヌ・ヒデの商品はこちらからご覧いただけます。

https://kurura-shop.jp/collections/domainehide

Daisuke Akiyama

山梨県南アルプス市出身。メンズファッションブランドのマーチャンダイザー及びEC事業部マネージャーを経て2021年独立。生まれ育った山梨を一から見つめ直すため...

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