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人々の「水」への祈りが捧げられている溜池。数々の伝説とともに後世へ伝えていくべき「能蔵池」

お出かけ

南アルプス市野牛島に人々の「水」への祈りが捧げられる場所として、数々の伝説がある溜池がございます。

「能蔵(のうぞう)池」

御勅使川の伏流水が湧き出したところをせき止めて作られた溜池。

昔から水が枯れたことはないと言われ、周囲の水田を潤し、地域の人々の命を育んできました。

野牛島は南アルプス市に合併する前は、八田村という名前の場所にありました。

とてものどかで素敵な場所です。

是非、くるらMAPもみてください。

https://www.google.com/maps/d/u/1/edit?mid=1NYMzUFHeZb7IXHB1mRjUXADTweQnF48j&usp=sharing

山梨県警が管轄する唯一の運転免許センターが、この旧八田村にはあるので、免許を持っているほとんどの山梨県民は来たことがあるのではないでしょうか。

「赤牛の椀貸し伝説」

ある晩のことです。野牛島村のさっちゃんは、一人で池の淵に立ち、誰に言うこともなく明日の結婚式で使うきれいなお椀やお膳がないこを嘆きました。

さっちゃんの家はもちろん、どこの家でもお客さんに出せるものはなかったのです。

ところが式当日、お椀おぜんまいまでみんな揃って能蔵池に浮いているではありませんか。

みんな驚き、誰が用意したのかと不思議がりました。

するとそこへ長老がやって来て、

「この池には、昔から赤牛さまと呼ばれる神様が住むっちゅうど。その赤牛さまじゃねえずらか。」

と言いました。

村の人たちは大喜びでありがたがり、それからは人寄りがあると能蔵池へ来て、お椀やお膳を貸して欲しいと頼むようになりました。

赤牛さまはそんな村人の願いをちゃんと聞いてやりました。

ところが、ある時この願いが聞いてもらえないことが起こりました。

それじゃ借りたお椀やお膳を返さない隣村の不届き者がいて、赤牛さまが怒って能蔵池から姿を消してしまったからです。

赤牛さまは甘利山のさわら池に移り、その後、もっと奥の、高い千頭星山に登って大笹池に住んだということです。

おわり

シンプルに借りたものはきちんと返しましょうと言うことですね。

物に限らずですね。借りたものは返す。

人としてとても大事です。

能蔵池の中島には石の二つの祠が並んでいます。

右奥が「白山権現さま」、左奥が「弁財天さま」、そして手前の3つの石が「あげぼとけ」です。

「白山権現さま」は農業や水の神様。「弁財天さま」も水の神様です。

手前の3つの石は、願いを込めながら3つの石を持ち上げると願いが叶うという言い伝えがあります。

正直、これやっていいのかダメなのかわからなかったので、僕はやらなかったです。

万が一にも落としてしまったらと思いやめておきました(笑)

そのすぐ近くには、「能蔵稲荷」がございます。

※北東方面

御神体は宇賀神さまで、顔は老人、体は蛇の姿をした水の神様です。

南アルプス市指定文化財「能蔵池の碑」

江戸時代、安政4年(1857)建立。

「池には天女、側には蔵王が祀られ、水は清くどんな乾燥した年でもかれることなく民に非常な恩恵をもたらしてきた。この池ように農事に励みなさい」

といった内容が刻まれています。

また「神龍おさめるところ」とも刻まれています。

背筋が伸びます。

僕自身、南アルプス市出身なのですが、こんな素敵な場所があることを正直知りませんでした。

「くるら」を通じて様々なことを勉強できていることに感謝し、この「能蔵池の碑」にあるように、しっかりとこの道を精進していきたいと思います。

能蔵池

〒400-0205 山梨県南アルプス市野牛島2704

URL : https://www.city.minami-alps.yamanashi.jp/docs/nozoikenohi.html

Daisuke Akiyama

山梨県南アルプス市出身。メンズファッションブランドのマーチャンダイザー及びEC事業部マネージャーを経て2021年独立。生まれ育った山梨を一から見つめ直すため...

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