【山十製紙】450年続く「西島手漉和紙」を次世代へ繋ぐ使命
山梨県南巨摩郡身延町西島。
この地で450年前から続く伝統工芸「西島手漉き和紙」
西島和紙の歴史は1571年、この地に生まれた望月清兵衛が国主・武田信玄の任により現在の静岡県伊豆修善寺で和紙製法の修行を積み、西島にその製法を持ち帰ったことから始まりました。
紙はみつまたを主原料にした滑らかで光沢があり、毛筆に非常に適した紙でありました。
この紙を手にした武田信玄は非常に喜び、自らこの紙を西未と命名し武田菱に西未の文字を刻んだ朱印を清兵衛に預け、紙役人に任命しました。
山十製紙さんは、寛永18年(1660年)10月1日に創業。
長い歴史の中で、沢山の職人さんが関わり続け、特許取得の技法により手漉きの和紙作りにこだわり続けています。
山十製紙・第十三代 笠井伸二さんは、450年続いた「西島手漉き和紙」の先代から受け継がれてきた技術を、次の世代に繋ぐことを使命として紙を作り続けています。
西島和紙は書道用紙の中のでも「画仙紙」に特化しています。しかしこの技術も、一度途絶えると再現できないと言われています。
それは、紙を作るのは、言葉では伝えられない小さな、小さな技の積み重ね。
小さなコツの積み重ねの上にあるからです。
自分が思っているような紙を作るのに3年くらいはかかると言われています。ただ、何年漉いても「コレだ!!」と言えるもの、これで良いというところにはまだ辿り着いていないと語ります。
漉き重ねた紙の上を転がす簾の速さ、簾を捲るときの速さの変化、原料と練りの塩梅、紙の厚さを感じるコツ。
紙が出来上がるまで短くて10日、冬の寒いときには1ヶ月ほどかかると言われてます。
ゆっくり時間をかけて紙を潰さないように気をつけて丁寧に作り上げないと、独特の柔らかさや滲みは出てきません。
10年や20年では到底出来上がらない技ばかり。続けることで残る技、残さなければならない技。
その使命を胸に紙を作り続けています。
近年では、ファッションブランドとのコラボレーションにより和紙を使用したファッションショーの演出でのコラボレーションや、全国的に有名な明野のひまわり畑のひまわりの繊維を漉いてできた和紙を使用したとびきりキャッチーなしおり等、その活躍は和紙業界に限らず多義に渡ります。
また、笠井さんが4年前からプラスチック海洋汚染をなんとかしたいと、新しい和紙素材を開発してできた渾身のマスクも出来上がりました。
天然素材を使用し、ゴム以外は自然に還る素材、そして洗って繰り返し使えるマスクです。
あまり知られていませんが、不織布マスクはプラスチック素材です。新型コロナウイルス感染拡大による影響で、使い捨てマスクや手袋といったプラスチックごみが急増していることが世界的にも問題となっています。
洗って繰り返し使える和紙の新素材「WASHIBLE」は、地球のために何ができるか、未来を繋いでいくためにできることは何か。その思いからできたマスクです。
450年続いた「西島手漉き和紙」を未来に繋ぐ山十製紙さん。
山十製紙さんの商品はこちらからご覧いただけます。
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