あなたも自分の地元を改めて見つめてみませんか?そんな思いに浸れる「野牛島のビャクシン」
普段何気なく生活をしていると、自分の住んでいる町にある素晴らしい文化財や名所があることに気づかないことがある。
あまりにも慣れてしまっていて、「あっ、実はこれすごいものだったんだ」と気づくこともしばしば。
山梨県指定文化財(天然記念物) / 南アルプス市野牛島「野牛島のビャクシン」
ビャクシンはヒノキ科の高木であるイブキの一品種。
山梨県下でも有数のビャクシンの巨樹である。
根廻り : 5.0m / 目通り : 3.8m / 樹高 : 14.0m
真っ直ぐに聳え立つ立派な巨樹。
樹幹からは力強いパワーを感じる。
樹皮の渋みからは、木生を感じることができる。
人間の顔と一緒のような感覚である。
人の顔もそれぞれ、その人の人生が表れている。
下から見上げれば、幻想的なビャクシンの世界に浸ることができる。
神々しく、美しい。
このビャクシンのすぐそばには鎌倉時代の武士「御所五郎丸(ごしょごろうまる)」の墓と伝わる石塔、持仏を祀ったとされる観音堂が所在する。
御所五郎丸・・・
京都生まれ比叡山育ち。鎌倉御所で源頼朝に仕え、小舎人童(こどねりわらわ)として身辺護衛にあたっていた。
建久4年(1193)5月28日富士の巻狩の陣中において、曽我兄弟が工藤祐経(頼朝の臣従)を仇討ちした事件が起き、頼朝の身も危険になった。
五郎丸はとっさに女人の薄衣をかぶり、弟の五郎時致をからめ捕まえる殊勲をたてた。
しかし女装の兵法は武士道鼓吹に反するとする世論のため、頼朝より官職を免ぜられ、野牛島に送られた。
時代とはいえ、主君を助けたにもかかわらず理不尽極まりない話である・・・
この話を聞くだけだと、頼朝のような上司や社長にはなりたくないなと思ってしまう。
この野牛島には、この地に流された御所五郎丸が、持っていた杖をこの場所に刺したところ、それが根付いて現在の大きなビャクシンになったという伝承が残されている。
その場所に住んでいるとあまりにも当たり前の景色すぎて、このような素晴らしい天然記念物やそれにまつわる物語に興味がなかったり知らないまま過ぎてしまう。
あなたの地元のにも、実は素晴らしい文化財や天然記念物が存在するかもしれない。
今一度、自分の地元を見つめ直すのも、とても面白いのではないだろうか。
山梨県指定文化財(天然記念物) / 野牛島のビャクシン
〒400-0205 山梨県南アルプス市野牛島2076
URL : https://www.city.minami-alps.yamanashi.jp/sisetsu/shisetsu/yagoshima_byakushin/
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