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今こそ伝えるべき山梨の伝統地場産業”ハンコ”日本一の技術や文化を学べる「印章資料館」

地場産業

山梨の地場産業といえば、果物、ワイン、野菜、日本酒、ジュエリー・・・様々な素晴らしいものがあるが、本日ご紹介する「ハンコ」もその一つである。

新型コロナウイルス感染症によるテレワーク普及により飛び出した「印鑑不要論」

以前のこちらの記事で、宝石印鑑についてご紹介をさせていただいた。

印鑑が持つ「意義」や「責任」について記載をさせていただき”くるら”の記事の中でも大きな反響を頂いる。

山梨県の印章業は、地元に水晶が産出されるようになった文久年間(1861~63年頃)に水晶印の篆刻から始まったといわれ、ハンコの生産量が日本一を誇る産地である。

歴史や伝統があるからこその重みがある。

改革は必要ではあるが、意味や意義、価値があるものは日本の伝統地場産業として後世に伝えていくべきだと私は思い、本日の記事を掲載させて頂く。

山梨県西八代郡市川三郷町「印章資料館

明治時代初期からの印章彫刻に使用した道具類、印章販売に関する注文書・カタログ、先人や現代作家の作品等数百点に及ぶ寄贈品・寄託品が展示されている、全国的にみても珍しいハンコの資料館である。

市川三郷町に合併する前の名称「六郷町」における印章は、明治のはじめ、甲州の水晶と水晶加工技術の振興とともに起こった。

地域の産業として水晶印章に着目、全国を行商して印章の重要性、重宝さ、生活の必需品であることを説き、販路を開拓していったのである。

また、印章技術の習得にも長い年月を要し、幾多の修行を経て卓越した技を達成した多くの技術者がいるのである。

六郷の印章は、生産高日本一と同時に、日本一の技術と歴史を誇る伝統工芸品なのである。

なかなか見ることのできない、様甘菜種類の水晶原石を見ることができる。

紫水晶とっこう

貴重な象牙。

印譜集。

こんなにも多くのハンコにまつわる資料や展示品を見る機会は、中々あるものではない。

知らなかったことや、ものを新しく知ることができる喜びを感じることができる。

知識はなくても、展示品から感じ取れる重みを感じることができる。

100年以上の歴史の重み。

直接現物を目で見て、自分なりに解釈し感じることが、また一つ自分の幹となる貴重な体験である。

この資料館の中でも特筆すべき世界的にも貴重な重要展示品として「十鐘山房印挙」がある。

十鐘山房印挙とは、今から約130年ほど前の1883年(光緒9年)、中国の歴史家「陳介祺」が収集し、71歳の時に作られた印譜集である。

印譜集は1853年にそれぞれ異なった製本で十部制作され、七部が現存するがそのほとんどは個人所有で一般公開がされていない。

ここの資料館が所蔵する十鐘山房印挙は、1枚に1印が押印され、30挙191冊に分けられており、その数は10,367種類もの印譜がありあり押印するだけで1,2年はかかっただろうと言われている。

その希少性とともに、古代中国における文字と印象の発展を知る上大変貴重な資料なのである。

旧六郷町が日本、世界に誇る伝統地場産業「印章

日本人ならではの丁寧で繊細な卓越した技術。

今こそハンコの持つ力、必要性を伝えていくべきではないかと強く感じる。

日本一のハンコの町で、歴史や文化、職人の技術を是非直接見て頂きたいと思う。

印章資料館(地場産業会館)

〒409-3244 山梨県西八代郡市川三郷町岩間2160

0556-32-2159

営業日:4月~11月 平日 8:30 – 17:00 / 休日:10:00 – 15:00
定休日:12月~3月

入館料 : 無料

URL : https://www.rokugoinsho.com/%E5%8D%B0%E7%AB%A0%E8%B3%87%E6%96%99%E9%A4%A8

Daisuke Akiyama

山梨県南アルプス市出身。メンズファッションブランドのマーチャンダイザー及びEC事業部マネージャーを経て2021年独立。生まれ育った山梨を一から見つめ直すため...

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