富士山と河口湖を一望できる大パノラマ!!太宰治が逗留し愛したほうとうを食す「天下茶屋」
山梨の郷土料理=ほうとう
このイメージは圧倒的であろう。
数ある山梨県のほうとう屋の中から、本日はあの「太宰治」が三カ月滞在し、小説「富獄百景」に残した”天下茶屋”のご紹介をさせて頂く。
日本の建造美を象徴した美しき造りの「天下茶屋」
天下茶屋の歴史は、昭和9年の秋が始まりである。
木造二階建て、八畳が三間の小さな茶屋で、峠を行き交う旅人に食事などをふるまったのが始まりである。
正面に臨むその絶景から富士見茶屋、天下一茶屋などと呼ばれていたが、徳富蘇峰が新聞に天下茶屋と紹介したことがきっかけで、「天下茶屋」と呼ばれるようになった。
この日は曇り空であいにく富士山を見ることはできなかったが、晴れの日はここから富士山を拝むことができる。
風情のある縁側で景色を見つめ鳥の囀りを聞きながら、静かで緩やかな時間を過ごすことができる。
この場所にほうとうを食べに「行く」という体験が、とても楽しめる場所である。
天下茶屋 きのこほうとう鍋 ¥1,450-
山梨県が地元でありながら、ほうとうを外食で食べるのは初である。
山梨県民なら理解して頂けると思うが、「ほうとう=家庭料理」であり、外に食べに行くものではないのだ。
人生初のほうとう料理がまさにこの、きのこほうとう鍋なのである。
その味はまさに、ほうとうの真骨頂が凝縮された味であった。
スープを一口飲むと広がる野菜の旨味と凝縮された味、そして優しい温かみ。
体も心も非常にほっこりする、幸せな味である。
きのこや野菜が鍋奥までたっぷり入っている。
素材の味を活かし、主張し過ぎないシンプルな味付けが非常に嬉しい。
油揚げ、大根、かぼちゃ、ごぼう、人参、玉ねぎ、なめこ、椎茸、ジャガイモ・・・
野菜たっぷりかつ、それぞれの旨味がシンプルに引き立っている。
奇を衒わずに、基本に忠実にといった味付け。
「天下茶屋」が85年以上も人々から愛されている理由が納得できる味だ。
絶妙名歯応えのあるほうとう。
地味噌と野菜の旨味が絡まった汁を良い塩梅で吸収した味は是非、食べて頂きたい。
最後の一滴まで残すことなく食べられるほうとうである。
2階は「太宰治文学記念室」となっている。
太宰治が逗留していた部屋を復元し、実際に使用していた机や火鉢、床柱などが展示されており、ファンならずとも必見である。
「富獄百景」「斜陽」「人間失格」などの貴重な初版本なども見ることができる。
晴れの日は、富士山と河口湖の大パノラマを拝められ、鳥の囀りや自然の音に耳を傾けながら、太宰治も愛した旨いほうとうを食す。
あなたの山梨旅行プランに必ず加えて頂きたい場所の一つである。
天下茶屋
〒401-0304 山梨県南都留郡富士河口湖町河口2739
0555-76-6659
営業時間 : 10時~17時
年中無休※冬期は天候により休業する場合あり
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