先人たちの繊細で美しい石積みに心奪われて。国指定史跡”石積出二番堤”で感じる仕事の流儀
カルチャー
以前ご紹介させて頂きました甲斐市の信玄堤公園。
釜無川と旧御勅使川のかつての合流地点一帯を公園として設備したもので、武田信玄が行った釜無川の氾濫を治めるため築いたとされています。
釜無川の上流左岸にそびえる高岩と呼ばれる崖の下に、約630メートルに渡って粘土上の土を盛り上げ堤防としました。
本日はその信玄堤とともに、武田信玄によって御勅使川・釜無川を治めるために築かれたと伝えられている、「石積出」のご紹介をいたします。
国指定史跡 石積出二番堤(六科将棋頭)
その名の通り、砂礫と石で造られた堤防で、一番堤から五番堤まで残されている中の二番堤です。
古くから暴れ川として有名だった御勅使川は、大雨が降ると洪水を起こし釜無川を押し出して甲府盆地中央部まに大きな水害をもたらしました。
その御勅使川治水と利水に関わる貴重な歴史遺産でございます。
横からだと中々伝わりづらいのですが、上から見たときに将棋の駒をした形になっていたので、将棋頭と呼ばれています。
現在は北側の堤防のみ残されています。
正直、傍から見るだけだと「こうゆうものなんだなぁ」くらいな感想の方もいらっしゃるのではないかと思います。
ただ、実際近くで一つ一つの石の積み重ね、積み方の繊細さを見るとその芸術的なバランスと造形はもはやアートの域だと感じます。
日本人の真骨頂とも言える、繊細で丁寧な仕事。感動します。
南アルプス市の大自然中で、この繊細な石積出を作った先人たちの苦労や努力をしっかりと感じながら。
「世ため人のために、自分ができることを」
仕事、人生の根本的なことを改めて学びました。
是非、この石積出からあらゆる感性を感じ取っていただければと思います。
国指定文化石積出二番堤
〒400-0226 山梨県南アルプス市有野
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