“山梨ワインの発祥=日本ワインの発祥”日本のワイン史を学べる「宮光園」
山梨を語る上で外すことのできない「ワイン」
「山梨ワインの発祥=日本ワインの発祥」である。
本日は、140年に渡る日本ワイン史を深く学べる甲州市近代産業遺産、「宮光園」のご案内をさせて頂きたいと思う。
宮光園はワイン産業の先覚者・宮崎光太郎氏が自宅に整備した「宮崎葡萄酒醸造所」と「観光ブドウ園」の総称である。
明治10年、祝村(現甲州市勝沼町下岩崎)に設立された、日本初のワイン醸造会社である「大日本山本葡萄酒会社」が明治19年に解散した後、フランスでワイン造りを習得した土屋龍憲とともに甲斐産葡萄酒の醸造を開始した。
宮光園には、ワイン醸造や観光ブドウ園に関する膨大な写真や資料群が残されているのである。
明治のはじめ、日本の近代化が急速に進む中、政府主導のもと官営のワイン醸造が始まった。
江戸時代からブドウの産地として知られていた山梨県は、まさにその先駆けであった。
山梨の県令になった藤村紫朗(ふじむらしろう)は、明治政府の殖産興行政策のもと、県立のワイン醸造所を明治10年に旧甲府城内に設置した。
勝沼でも同年8月に県内の有力者が多く株主となった、日本で初めてワイン醸造の会社「大日本山梨葡萄酒会社」が、岩崎に設立された。
上記画像にある通り、会社では設立と同時に2人の青年をワインの本場・フランスへと派遣しワイン作りを学ばせた。
帰国した2人は、本格的なワイン醸造に着手。
当時は「甘味葡萄酒」という、ワインに添加物を加えた甘いだけのワインが好まれており、それに対して本格葡萄酒を売り出そうとして創業した「大日本山梨葡萄酒会社」は、販売不振と不況の煽りも受け、明治19年に会社は解散した。
しかし、土屋龍憲と宮崎光太郎は会社の醸造設備などを譲り受け、新たに「甲斐産葡萄酒醸造所」を設立し、本格ワインの主力ブランドとして「大黒天印甲斐産葡萄酒」の醸造・販売を始めたのであった。
醸造や皇族の行幸・行啓の様子が見ることができるのも魅力の一つである。
1階の部屋と庭園。
ずっと見ていたくなるような、日本の美を感じることができる。
醸造道具などを保管した「道具蔵」
葡萄貯蔵庫跡
醸造のための葡萄を貯蔵した蔵があった跡地である。
日本ワインの歴史=山梨ワインの歴史
ワインが好きであるのなら、知っているに越したことはない。
ワインの見聞を広めた上で飲む味はまた格別である。
勝沼町に来られた際は、是非日本ワイン発祥の地へ足を運んでみてはいかがだろうか。
甲州市近代産業遺産 / 宮光園
〒409-1313 山梨県甲州市勝沼町下岩崎1741
0553-44-0444
定休日 : 火曜日(祝祭日に当たる場合は、その翌日)、年末年始(12月28日~1月4日)
営業時間 : 9:00 – 16:30(受付は16:00まで)
入館料 : 個人 20歳以上200円、20歳未満・学生100円 / 団体 20歳以上100円、20歳未満・学生50円
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